牛舎の片隅で

めっきり秋らしくなってきました。 

 
先日、肥育農場の巡回を行っていた時の出来事です。餌場の隅に生まれたての子猫が3匹、牧草を敷物にして寒そうにうずくまっておりました。 

ミャーミャーと蚊の鳴くような声をだし、寝ているとも起きているとも区別がつかないうつろな眼をして体を寄せ合っているではありませんか。 

これからの季節、寒くて大変だろうな~と思いながらそ~ッと近寄ってみました・・・。 

すると、その中の一匹が眼光鋭く、真っ赤な口を大きく開け「しゃーっ」と威嚇してくるでわありませんか。

小さいけれど、白く鋭い牙がきらりと光った気がしました。 
幼いながらも、兄弟を守ろうとして「指一本ふれてみろ。ただではおかねー」はたまた、「おめえの情けなんぞうけてたまるかい」とでも言わんばかりの勢いです。

私は、「どうもすみませんでしたー」と、そそくさとその場をあとにしたのでした・・・。