偶然の経験


繁殖学研究室のW君は卒論の採材のため、頻繁に診療所を訪れています。

聞くところによると、彼は小動物志望なんだそうです。

採血が終わり、彼が帰ろうとしている時、分娩が始まった牛が目に止まりました。出てきた胎児の足の向きから逆子の予感が…

せっかくなので助産を手伝ってもらいました。


たまたま偶然に遭遇した牛の分娩。w君がこれから歩むであろう小動物の獣医師としての人生にはあまり関係のないものなのかもしれません。しかし、貴重な経験だったのではないかと思います。 
大動物の臨床系の研究室に在籍をしていても牛の正常な分娩の立会や難産介助の経験がない学生の方が大部分だと思いますし、それ以外の学生でも進路を決める段階になり、「実は牛に触ったことがあまりなく、大動物の仕事がどういうものか分からない」という話もよく耳にします。 

多くの学生の方に大動物臨床の現場をぜひ見てもらいたいと私は思います。そして一人でも多くの学生に大動物臨床の素晴らしさを知ってもらいたいと思います。