生まれたてのほやほや!





 分娩時における胎児の失位の発生頻度は、周産期の母体のコンディションと多少なりとも関係があるのではないかと日々考えています。分娩前後の母体の飼養管理には細心の注意を払うことが大事だと思います。






 しかし難産となった場合、胎児の生存性や母体の衰弱を最小限に抑える意味でも的確な診断、的確な整復、そして娩出させるタイミングが重要となるのではないでしょうか。






 昨夜の難産失位は、畜主が触診した時点で「自分の手に負えない」と判断、すぐさま急患用携帯に往診依頼をいれました。胎児は頭位でしたが仰向けの状態でした。両前肢を牽引してもこれでは頭部が産道に入ってくるのはまず無理でしょう。用手にて胎児を回転させ産道に正常に誘導した後、母体が怒責し産道が少し開くのを待ち、畜主と二人で一気に牽引、娩出させました。幸運にも胎児は無事娩出されました。母牛にカルシウム剤、ブドウ糖を点滴してから日付が変わったばかりの農場を後にしました。






 この子は、メスなので順調に行けば、約2年後には最初の分娩を向かえ、農場に多くのの利益をもたらす存在となるでしょう。






帝王切開



 定期繁殖検診が終わり、夕刻の往診に向かう車中で急患携帯がはいった。

「難産だからすぐきてくれ」とのこと。「胎児の頭部が落ちていたので治してみたのだが・・・」と畜主。胎児が仰向けの状態だったので早速整復を試みる。下顎を確保し、頭部を産道に引っ張り込むのだがなかなかしっくり乗ってこない。なんか変だなと思いながらも既にロープがかけられた脚を引っ張ってみてもびくともしない。「引っ張ってみましたか?」と私、「うん、でもぜんぜんこないから先生に電話した。最初から呼べばいがったじゃ・・・」と畜主。既に胎児は死亡している模様だが、子宮内羊水がほとんどなく、母体の衰弱も色濃い(私の疲労も・・・)。帝王切開を判断するまでに、余計な時間を要してしまったか・・・。

 開けてみて判ったのだが、産科ロープがかかっていたのはどうも後肢であった可能性が高い。取り出してみると思ったほど胎児は大きくなかった。頭と後ろ足を同時に引っ張り娩出できるはずが無い。母体の回復に全力を注ぎたい。

第1花国の人気沸騰!


 今月13日(金曜日)は、青森県家畜市場の開催日でした。
家畜用飼料の値上がりなどの先行き不安定要因で、畜産業界はいまひとつ元気がありません。

そんな中、全国各地からの購買者が青森に参集し、七戸町の青森県家畜市場は活況を呈しておりました。特に第1花国の人気はすさまじく、100万円を超えるメス子牛が十数頭あった模様です。

第1花国ー安平ー隆桜の受精卵を受胎させればいいのです。うん うん 納得!